ONE DAY

きんぎょの視力


2015年2月

はじめて金魚を飼いはじめたころ、その小さなオレンジのかたまりが

こんなにも愛くるしい! とおどろいたものです。

とにかく人になつく。エサをくれるから、なのでしょうが、いつでもなんでも

ひとの姿をみるやいなや、「わー、わー」と水そうのふちにかけつけ、精一杯

あれやこれやと話しかけてくる。私が右へ動けば右に、左へ動けば左に、

プリプリとついてくるさまは、けなげ、なんて言葉では到底たりないくらい

胸がぎゅっとなるものでした。

あるとき、金魚の目っていったいどのくらい見えているのかな? と気になり

ちょっとためしてみることに。

水そうから少しずつはなれること2m。うん、まだ見えているみたい。では…と

くるっと後ろ向きに。それでも話しかけていたら、まあヒト?とぼんやり認識を

しているということ。と、後ろ手鏡で様子を確認してみますと…

あらー! まったく冷静に、こちらを見つめています。

しーん…とセリフをつけたくなるほどの、その落ち着きはらった様子には

神々しさを感じるほど。

では…と、また正面に向き直ると、とっさに「わーい、わーい」が

はじまりました。

さらに4mくらい離れたドアから顔をのぞかせてみたり…といろいろ試してみた

結果、金魚はめちゃ視力が良い! ということがわかりました。

1.5くらい、よゆうであるのかもしれません。

そして、さらにすごいことがわかりました。

金魚が後ろを向いているときに、そーっと移動しても「くるんっ」とすぐに

気づかれてしまうのはなぜ? と不思議に思っていたのですが、

それは、金魚の目はほぼ360°見えるつくりになっているから! だそうです。

自分の尾びれも見えるのだとか。

それをきいて、それだけでなく、総合的にも私は、金魚には敵わない

と思ったのでした。

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